異例の提携として、アップルは競合他社であるグーグルによる欧州連合(EU)の新規制への反対を支持し、人工知能(AI)システムがユーザーのプライバシーとセキュリティに「深刻なリスク」をもたらすと主張している。
異例の提携として、アップルは競合他社であるグーグルによる欧州連合(EU)の新規制への反対を支持し、人工知能(AI)システムがユーザーのプライバシーとセキュリティに「深刻なリスク」をもたらすと主張している。

アップル(Apple Inc.)は、欧州委員会がデジタル市場法(DMA)の執行を目指して作成した措置案に対し、正式に異議を申し立てた。この措置案は、グーグルに対し、AIのライバル企業にAndroidオペレーティングシステムへの広範なアクセスを許可することを強いるものであり、アップル自身のプラットフォームにとっても前例となる可能性がある。
ロイター通信によると、アップルはEUへの提出書類の中で、「措置案(DM)は緊急かつ深刻な懸念を抱かせるものである」と述べた。「もし確定すれば、ユーザーのプライバシー、セキュリティ、安全性、さらにはデバイスの完全性とパフォーマンスに深刻なリスクをもたらすことになるだろう。」
提案された規則は、2022年11月から施行されているEUの画期的なDMA(デジタル市場法)の一部であり、アップルとグーグルの両社を含む7つの「ゲートキーパー」テック巨人を対象としている。この措置により、サードパーティのAIサービスが、メールの送信や食事の注文といったタスクのためにAndroidアプリと相互作用できるようになるが、グーグルはこれがEU内の4,500万人以上の月間アクティブユーザーに対する主要なセキュリティ保護を損なうことになると主張している。
争点となっているのは、欧州におけるAIプラットフォーム規制の将来であり、この決定はテック巨人の運営方法に数十億ドル(数千億円)規模の影響を及ぼすことになる。アップルの介入は、Androidにオープンアクセスを強制するいかなる命令も、最終的には自社のiOS、iPadOS、macOSのエコシステムに適用される可能性があり、厳格に管理された同社のビジネスモデルを混乱させかねないという懸念を浮き彫りにしている。欧州委員会は2026年7月27日までに最終決定を下さなければならない。
アップルは公にはライバルの立場を擁護しているが、同社はこの結果に対して明確な自己利益を持っている。DMAの下で指定されたゲートキーパーとして、アップルもまた、自社のエコシステムを開放するというEUの提案の対象となっている。同社は、裁判所で規制に異議を唱え、セキュリティの脆弱性を生み出しユーザー体験を悪化させたと主張するなど、この法律を巡ってEU規制当局と長年衝突してきた歴史がある。
アップルは提出書類の中で、iPhone、iPad、Macコンピュータ向けの独自のOSを保有していることを踏まえ、このケースに強い関心を持っていると指摘した。グーグルにAndroidをサードパーティAIに開放させる規制枠組みは、規制当局がアップルのApp StoreやiOS(グーグルのAndroidよりもはるかに収益性が高く閉鎖的なシステム)に適用したがる直接的な前例を作り出す可能性がある。
アップルのフィードバックは、提案を起草した欧州委員会の技術的専門知識に直接疑問を投げかける鋭いトーンであった。同社は、OSを開放することのリスクは、「能力、行動、脅威ベクトルが予測不可能なまま急速に進化するAIシステムの文脈において、特に深刻である」と主張した。
「欧州委員会(EC)はOSを再設計しようとしている。グーグルのエンジニアによる判断を、3ヶ月足らずの作業に基づく自らの判断に置き換えようとしているのだ」とアップルは提出書類で述べた。措置案の唯一認識可能な目標は「オープンで妨げのないアクセス」であるようだと示唆した。
提案に対するフィードバック期間は4月27日から5月13日までであった。欧州委員会は、すべての提出内容を慎重に評価し、提案された措置を調整する可能性があると述べている。しかし、EUは2026年5月、DMAが全体としてプラスの影響を与えたとも結論づけており、シリコンバレーからの激しいロビー活動にもかかわらず、その基本原則を曲げる可能性は低いことを示唆している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスを構成するものではありません。