AIシフトはビットコイン採掘業界を再編しているが、そのために必要な資本はほとんどの企業の手元資金をはるかに上回っている。
AIシフトはビットコイン採掘業界を再編しているが、そのために必要な資本はほとんどの企業の手元資金をはるかに上回っている。

VanEckの分析フレームワークを引用したBlocksbridge Consultingによると、ビットコインマイナーは電力資産をAIデータセンターに転換するにあたり、短期的に500億ドルの資金不足に直面している。
VanEckの投資アナリストGriffin MacMaster氏とデジタル資産調査責任者Matthew Sigel氏はリサーチノートで、リースされたAIおよびハイパフォーマンス・コンピューティング容量のうち実際に納入されたのは約25%にすぎず、建設マイルストーンを達成できない企業は構造的な格下げリスクに直面すると指摘した。
Miner Weeklyによると、IRENが211億ドルで最大の資金不足を抱え、以下、Riot Platformsが72億ドル、HIVE Digitalが46億ドルと続く。業界全体の長期的な資本需要は2210億ドルに迫る。Cipher Mining、Hut 8、TeraWulfなど、AIリース契約を締結した企業は、総電力供給容量の10倍以上の評価額を獲得している一方、Marathon DigitalやCleanSparkはビットコイン採掘に依存しており、その倍率は2倍から6倍にとどまっている。
こうした資本需要は、採掘事業の収益性悪化と同時に発生している。ハッシュプライス(採算指標)は第1四半期に1ペタハッシュ当たり約28ドルまで低下し、2025年第4四半期の約35ドルから下落した。TheEnergyMagはこれを、公開マイナーにとって「史上最悪のマージン環境」と評している。CoinSharesの試算では、この水準では最大20%のマイナーが損益ラインを下回って操業していることになる。
VanEckの分析は、物理的なリース契約を獲得したマイナーと、まだストーリーだけを売りにしているマイナーの間に明確な線引きをしている。アナリストらは、契約を獲得し電力供給が確保された企業は評価されている一方、パイプライン段階のプロジェクトは割引されていると指摘。この格差は、2027年と2028年に大規模建設が本格化するまでは拡大し続けると予想される。
資金調達能力は企業によって大きく異なる。HIVEは、10万基以上のGPUを目標とするAIギガファクトリー構想により、時価総額対比で最も深刻な資金負担に直面している。IRENとKEELもこれに続く。MARA(35,303 BTC)、CLSK(13,561 BTC)、HUT(13,696 BTC)などビットコインのバランスシートを保有する企業は、その保有資産を売却して建設資金に充てることができる。一方、IRENはBTCを保有していないため、株式の希薄化または負債による調達を迫られる。
VanEckは、マイナー各社がビットコインと連動するという見方に異議を唱えている。セクター全体のビットコインとの日次リターン相関は年初来で約0.55、1年ベータは約1.05であるものの、バランスシート上で意味のあるエクスポージャーを持つのはMARA(時価総額の約98%相当のBTC感受性価値)、CLSK(約53%)、RIOT(約23%)のみである。CORZ、WULF、APLD、IRENは事実上デカップリングしている。ビットコインが5万ドルまで下落した場合、MARAの株式価値は約45%、HIVEは約50%消失する一方、HUTへの影響はわずか4%にとどまる。
VanEckは、評価手法はいずれ納入比率や割引キャッシュフローモデルへ移行し、その時点でこれらの企業はマイナーというよりもデータセンターREITに近い存在になると予想している。同社は、野心と価格の乖離が最も大きいHIVE、KEEL、IREN、Bitdeerに最大のリレーティング(再評価)の可能性を見出す一方、これらの銘柄が最も高い実行リスクを抱えていることも認めている。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。