主なポイント
- ディズニーは上海に2つ目のテーマパークを発表する見通し。体験型事業部門への600億ドル投資の一環。
- 体験型事業部門は2025年、ディズニーの176億ドルの営業利益の57%、総利益の76%を生み出した。
- 中国の旅行セクターは2036年までに約2倍の3.5兆ドルに拡大する見通しで、拡大を後押しする。
主なポイント

ディズニーは、中国の急成長する旅行市場を追い風に、新CEOジョシュ・ダマロの下での成長を加速させるため、600億ドル規模の投資の一環として上海に2つ目のテーマパークを発表する構えだ。
ディズニーは、体験型事業部門への600億ドル投資の一環として、上海に新たなテーマパークを発表する見通し。同事業部門は昨年、同社の176億ドルの営業利益の57%を生み出した。発表は早ければ来週、リゾート開業10周年記念イベントの中で行われる可能性があると、関係者が明らかにした。
「2つ目のパークは、上海ディズニーランドの開業15周年頃にオープンする見込みだ」と、当初のリゾート建設に携わり、現在はYouTubeチャンネル「Disney Journey」を運営する元ウォルト・ディズニー・イマジニアリングのアーティスト、ジム・シュル氏は述べた。コードネーム「プロジェクト・アトラス」と呼ばれる新パークは、科学をテーマにしたという初期の憶測から方向転換し、アバター、マーベル、モアナなど現地で人気の高い作品を基にした没入型ランドを特徴とすることが見込まれている。
上海ディズニーランドは11月に累計入場者数1億人を達成し、2024年には1470万人の来場者を記録、前年比5%増となった(テーマエンターテインメント協会調べ)。建設費は60億ドルで、現在世界で5番目に来場者数の多いテーマパークとなっている。ディズニーはこの事業の43%を保有し、国有企業の上海申迪集団が57%を保有するが、ディズニーが70%の議決権を持つ運営会社を支配している。
今回の拡大は、中国の旅行・観光セクターが2036年までに約2倍の3.5兆ドルに達し、国際到着者数も昨年15.5%増の6800万人超となったことを背景としている(世界旅行ツーリズム協議会調べ)。国際旅客の支出は1350億ドルに達し、パンデミック前の水準を上回った。ディズニーの最大のライバルであるユニバーサルは2021年に北京パークを開業し、2024年には980万人の来場者を記録(前年比8.6%増)。また、ハリー・ポッターのスタジオツアーが来年上海にオープンする予定だ。
体験型事業というエンジン
今週CEOに就任するダマロ氏は、パーク&エクスペリエンス部門からトップに昇り詰めた初めてのディズニーCEOである。この部門は2025年に約360億ドルの収益を生み出し、ディズニーの総利益の約76%を占めた(会社提出書類より)。また、同社の総企業価値の約80%を占め、ディズニーのストリーミングやスポーツ事業を支える財務的な屋台骨となっている。
2023年9月に発表された600億ドルの投資計画は、約半分をテーマパークに、残りをクルーズ事業、メンテナンス、テクノロジーアップグレードに割り当てている。ディズニーは将来の開発用地として1,000エーカー(約4平方キロメートル)以上を保有しており、これはディズニーランド約7個分に相当する。2025年5月に発表されたアブダビ・ディズニーランドもすでに開発中である。
中国のテーマパークブーム
アジア太平洋地域の遊園地市場は2031年までに29.6%成長し990億ドルに達する見通しで、昨年は中国が全体の43.6%を占めた(Mordor Intelligence調べ)。中国のテーマパーク収入は2033年までに約2倍の235億ドルに達すると予測されている(Grand View Researchデータ)。2005年には世界の入場者数トップ25のパークに中国のものは一つもなかったが、2024年には6つが中国に所在している。
上海ディズニーはすでに競争力を高めるため拡張を進めており、2023年12月にはズートピアをテーマにしたランドを開設し、スパイダーマンのローラーコースターも建設中である。また、2つの新しいホテルも開発中で、リゾートが大幅な収容力増強に備えていることを示唆している。ディズニーの体験型事業部門は昨年、同社の176億ドルの営業利益の57%、944億ドルの収益の約40%を生み出しており、ストリーミング競合が簡単には模倣できない物理的なアトラクションに同社が注力する理由を物語っている。
ディズニー株は水曜日の時間外取引で0.5%上昇したが、年初来では11%超の下落となっている。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。