主なポイント:
- フジクラ株は半減、2028年度利益予想が市場予想を30%下回る。
- 同社の生産能力制約は、AIインフラ関連銘柄のリスクを浮き彫りに。
- 競合の古河電気工業や住友電気工業も日経平均をアンダーパフォーム。
主なポイント:

フジクラ株式会社は先週、中期利益予想がアナリスト予想を30%下回ったことを受け、時価総額約400億ドルを失った。
「フジクラは生産能力を十分に拡大できておらず、市場の期待と現実の間にギャップが生じている」と、岩井コスモ証券のアナリスト、清水紀和氏は指摘する。
141年の歴史を持つ光ファイバーケーブルメーカーは5月19日、2028年4月期の営業利益を3150億円(200億ドル)と予想したが、これはアナリスト平均予想の4550億円を大幅に下回った。社長の岡田直樹氏は、千葉県の新工場が稼働した後も生産能力は不十分なままだと述べた。株価は売り浴びせられる前の5月中旬までの24カ月間で1,500%以上急騰していた。
この急落はフジクラ単独にとどまらず、古河電気工業や住友電気工業も5月13日以降、日経平均をアンダーパフォームしている。この出来事は、投資家がメーカーの高い期待に応える能力を再評価する中で、AIインフラ株の潮目が急速に変わり得ることを浮き彫りにしている。
この売り浴びせの前には警告サインがあった。ブルームバーグのデータによると、フジクラの相対力指数は決算発表前に80近くまで上昇しており、株が買われ過ぎであることを示していた。急落後も、株価はフォワードベースで利益の40倍以上で取引されており、東証株価指数の約18倍を大きく上回っている。
材料不足が同社の課題をさらに深刻化させている。フジクラは水素とヘリウムの供給懸念を指摘しており、後者についてはイラン紛争により状況が悪化している。長期的には、トランシーバー技術の急速な進歩により、将来のデータセンター内部で必要なケーブル量が減少すると予想されるが、アナリストはそのリスクが需要に本格的な打撃を与えるまでには数年かかる可能性が高いと述べている。
「市場が目を覚まし、データセンター建設の開始や完了が電力不足で遅延していることに気づけば、ケーブル関連銘柄が最初に大幅な評価引き下げを受けることになる」と、Asymmetric Advisorsの日本株ストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏は述べた。
需要のファンダメンタルズは依然として良好だ。CRUグループは、2024年から2030年にかけてデータセンター向けケーブルの世界需要が22.4%成長すると予測しており、主に北米が牽引する見込みだ。フジクラはまた、ブルームバーグのデータによれば売上高の約4%を占めるApple Inc.などのハイパースケーラーの顧客に対して価格決定力を維持している。
「投資家は、AIデータセンターやボトルネック関連銘柄の天井知らずのバリュエーションに対するエクスポージャーを減らそうとしている」と、Pelham Smithers Associatesのアナリスト、ウィリアム・ネスタック氏は述べた。
この下落により、フジクラの株価はAI相場が本格的に始まる前の水準に戻った。投資家は、次回の四半期決算で生産能力拡大の進捗状況や需要見通しの変更がないか注目することになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。