213億円を運用する日本の企業年金基金が、資産の1%を仮想通貨に配分する。デジタル資産を投機的手段ではなく、為替ヘッジとして位置づける。
213億円を運用する日本の企業年金基金が、資産の1%を仮想通貨に配分する。デジタル資産を投機的手段ではなく、為替ヘッジとして位置づける。

日本の年金基金が213億円(1億3600万ドル)を運用し、2026年度よりポートフォリオの1%を仮想通貨に配分する方針を明らかにした。ビットコインを円安に対するヘッジとして位置づける。
「ドルが基軸通貨としての地位を失う可能性がある」と、全国企業年金基金の投資業務執行理事である木口愛由氏は述べた。「ビットコインとドル指数の相関性はほぼゼロだ」
岡山県の約1200の中小企業を対象とする同基金は、円建て資産の比率を現在の80%から70%に引き下げ、先進国通貨、金、仮想通貨を新たに組み入れる。約130万ドルの配分は、直接的なトークン購入ではなく、大手ヘッジファンドが運用するパッシブ型マルチアセットファンドを通じて行われる。日本経済新聞が6月21日に報じた。
この決定は6年にわたる調査を経て、日本の規制環境がデジタル資産に対応する方向へと変化する中で行われた。6月11日に衆院を通過した改正法案では、仮想通貨を金融商品取引法の対象に含めることが盛り込まれており、国内での上場投資信託(ETF)の解禁や、仮想通貨利益に対する20%の一律課税(現行最大55%から引き下げ)への道筋が開かれる可能性がある。
1%の配分が金額以上の意味を持つ理由
同基金の現在のポートフォリオは円建て80%、米ドル建て15%、その他の通貨建て5%で構成されている。2026年度の計画では、円建てを70%に削減し、先進国通貨に10%、新興国通貨、金、仮想通貨にそれぞれ5%を配分する。木口氏は、ドルの基軸通貨としての地位が揺らぎつつあるため、ドル建て資産を増やさなかったと説明。国際通貨基金(IMF)のデータによれば、ドルの世界の外貨準備におけるシェアは2001年の71%から現在は約57%に低下している。
間接的なエクスポージャーの手法—ヘッジファンドが運用するパッシブ型ビークルを通じた投資—により、年金基金はカストディ、秘密鍵、ブロックチェーンインフラを直接管理することなく仮想通貨にアクセスできる。この仕組みは、2万人以上の個人加入者に対して受託者責任を負う機関にとって、運用上の複雑性を軽減する。
日本の機関投資家向け仮想通貨インフラが加速
今回の年金基金の動きは、日本の金融機関が仮想通貨エクスポージャーを構築するより大きな流れの一環である。日本最大のビットコイン公開保有企業であるメタプラネットは、6月12日にSiiibo証券を21億円で取得し、新たな証券部門を通じてビットコイン連動型利回り商品を提供する計画を発表した。SBI新生銀行は、ビットコイン、イーサ、XRPと交換可能なバウチャーを提供する預金連動型リワードプログラムを試験中であり、秋の本格展開を予定している。
大阪取引所は、スポットETFの規制承認を条件に、2028年までにビットコイン先物を導入する方針を示している。SBI証券、楽天証券、野村證券、大和証券などの主要証券会社も仮想通貨関連商品の検討を進めている。
日本の仮想通貨業界にとって、この動きの重要性は単なる130万ドルの配分にとどまらない。年金基金は国内で最大級の長期資本プールの一つであり、1基金のわずかなエクスポージャーであっても、全国の数千に上る他の企業年金制度の間で同様の検討を促す可能性がある。同基金はすでにマルチトークン・アービトラージ戦略の研究を開始しており、初期配分が管理可能と判断されれば、1%というポジションが拡大する可能性もある。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。