マイクロストラテジーへの大量プット買いが株価売りを誘発し、MSTRプレミアム圧縮が加速する中、ビットコインも押し下げられた。
マイクロストラテジーへの大量プット買いが株価売りを誘発し、MSTRプレミアム圧縮が加速する中、ビットコインも押し下げられた。

マイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価は年初来で28%下落した。大量のプット買いが同社株の売りを誘発し、両資産間のプロキシ取引を通じてビットコインも押し下げられた。
「MSTRのオプションフローは圧倒的に弱気となっており、プット出来高はディーラーが原株を売却してヘッジせざるを得ない水準まで急増している」と、暗号資産(仮想通貨)マクロアナリストのニーナ・ヴォルコフ氏は指摘する。「MSTRが下落するとビットコイン・プロキシ取引が解消され、スポットBTCにも圧力がかかる」。
市場データによると、プット買いによりマイクロストラテジーの株価は6月25日時点で103.84ドルとなり、年初来で27.96%、過去1年間で70.39%下落した。ビットコインは同期間に27.05%下落し、同社株の下落率を約43ポイント下回った。この乖離は、MSTRの企業構造に組み込まれたプレミアム圧縮を反映している。株価と1株当たりビットコイン保有量の比率を示す同社のmNAVレシオは現在約1.1倍と、2024年のブルラン時の2倍超から低下しており、買い手はバランスシート上の1ビットコイン当たり約10%のプレミアムを支払っている計算になる。
今回の売りは、マイクロストラテジーの財務戦略に内在する構造的な脆弱性を浮き彫りにした。同社はバランスシート上に84万7363ビットコインを保有し、2026年第1四半期時点で無形資産として516億5000万ドルと評価されているのに対し、時価総額は約360億ドルである。発行済み株式数は2024年末の1億9250万株から2026年第1四半期には3億3390万株へとほぼ倍増しており、十分に高いプレミアムでの発行が伴わなければ1株当たりのビットコイン保有量は希薄化する。また、同社は81億6000万ドルの長期債務を抱え、2026年第1四半期には公正価値会計に基づく144億6000万ドルのビットコイン含み損を計上し、125億4000万ドルの純損失を报告した。
プレミアム圧縮はビットコインにとって悪循環(フィードバックループ)を生み出す。MSTRのプレミアムが縮小すると、株価はビットコインよりも急速に下落し、レバレッジをかけた保有者やデルタヘッジを行うディーラーは両資産を売却せざるを得なくなる。MSTRの30日間歴史的ボラティリティは71%と、スポットビットコインの約50%を上回っており、リスク回避局面での downside(下落リスク)を増幅させる。6月25日のプット買いはこの力学を加速させ、Polymarketのデータでは取引開始前にMSTRの下落確率が99%を示していた。
MSTRをビットコイン・プロキシとして保有する投資家にとって、この取引には大多数が過小評価している組み込みコストが存在する。10%のプレミアム、STRCやSTRKなどの商品に対する優先配当義務、ATM売り出しによる継続的な希薄化は、プレミアムが拡大するか、レバレッジが上昇局面を増幅させる場合にのみ、MSTRがビットコインをアウトパフォームすることを意味する。横ばいまたは下落するビットコイン市場では、この構造は逆に作用する。6月25日のプット買いは、その解消プロセスが実際にどのように進行するかを如実に示した。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。