主なポイント:
- NUGTは6月5日に17.27%下落、金はわずか3.27%安
- 5月の雇用統計は17万2000人と予想の2倍、2年債利回りは4.16%に上昇
- NUGTは10年間で64%下落、同期間のGDXは246%上昇
主なポイント:

6月5日の寄り付きでDirexion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares(NYSEARCA:NUGT)に1万ドル投資していた場合、引け時点では約8300ドルになっていた。同ファンドは158.82ドルから131.39ドルへ17.27%下落し、スポット金は3.27%安、ノンレバレッジのVanEck Gold Miners ETF(NYSEARCA:GDX)は8.75%下落した。
「2倍の日次リセットメカニズムは設計通りの動作をした。問題は、大多数の保有者がこれを短期売買手段ではなくバイ・アンド・ホールドの手段として扱っていることだ」とEdgenの商品アナリスト、Omar Tariq氏は述べた。「金鉱山株のオペレーショナル・レバレッジにETF構造のファイナンシャル・レバレッジが重なると、金の3%の変動がファンドでは17%の変動になる。」
引き金となったのは5月の非農業部門雇用統計で、17万2000人の雇用増加が市場予想の8万人を大きく上回った。2年国債利回りは4.16%に急上昇し16カ月ぶりの高値となり、10年債利回りは4.47%と、過去12カ月のレンジの93パーセンタイルに位置した。ドル指数は0.65%上昇。クーポンを支払わない金は、実質利回りの上昇により直接的な機会費用の逆風に直面し、10年TIPS利回りは週初の2.07%から2.19%で引けた。銀は7.17%下落し、この動きが金利に対する幅広い貴金属の価格調整であることを裏付けた。
レバレッジ型ETFの計算構造は、時間の経過とともに損耗を増幅させる。NUGTは2026年1月のスタート価格183.50ドルから年初来で28%下落しているのに対し、GDXの同期間の下落率はわずか8%だ。10年スパンで見るとその差はさらに顕著になる。NUGTは過去10年間で64%下落したが、GDXは同じ原指数を対象としながら246%上昇した。この差こそがボラティリティ減価(volatility decay)であり、日次リセット型のレバレッジが荒い相場でリターンを削り取ることを示している。
注目すべきは2年債利回り
金曜日にNUGTを粉砕したメカニズムは、単一のデータポイントが反対方向に動けば逆回転する。2年債利回りが4%を下回って戻せば、金には息をつく余地が生まれる。一方、長期金利が5月中旬の10年債ピークである4.67%を超えて上昇すれば、レバレッジ型金鉱山ファンドは同程度の規模のセッションに再び直面する。次回のFOMCの決定と毎月の雇用統計の発表が、金利市場の方向性を決める2つのカタリストとなる。
中央銀行の買い入れが下支えに
ワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、過去18カ月間の金の構造的な買い需要は、米国のETFフローではなくソブリン(政府・中央銀行)バイヤーによるものだ。中央銀行の購入が高金利長期化環境下でも維持されれば、金の下値支持線は金利の計算だけで示唆されるよりも強固なものになる。しかしその下支えは、レバレッジETFの保有者を日次リセットのメカニズムから守ってはくれない。金が3.27%下落した際のNUGTの17.27%の1日での損失は、この商品のリスクは金の方向性ではなく、1営業日を超えて保有する際のプロダクト構造そのものであることを思い出させる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。