主なポイント:
- ソフトバンクグループがトヨタ自動車を抜き、時価総額3010億ドルで日本で最も価値ある企業に
- 孫正義氏が純資産970億ドルでアジアの長者番付トップに
- 日経平均が初の6万7000台を達成、AI関連株が急騰
主なポイント:

ソフトバンクグループが20年以上ぶりにトヨタ自動車を抜き、日本で最も価値のある上場企業となった。AI主導のラリーにより日経平均株価は初めて6万7000台に乗せた。
ソフトバンクグループの株価は月曜日に14%上昇し8541円となり、時価総額は48兆円(3010億ドル)を超え、トヨタ自動車を抜いて日本企業の中でトップとなった。
「技術競争では、ライバル企業は油断した瞬間に一気に追い越していく」と、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長はパリで記者団に語った。フォーブスの推計によると、68歳の同経営者は純資産970億ドルでアジアの長者番付トップに立った。
トヨタ自動車の株価は4.5%下落し2905.5円となり、時価総額は46兆円弱に縮小。2003年12月にNTTドコモを抜いて以来22年間にわたり維持してきた日本で最も価値のある企業の座を明け渡した。日経平均は1.1%上昇し6万7038.24円で終了。取引時間中には史上最高値となる6万7231.28円を記録した一方、東証株価指数(TOPIX)は0.2%下落し、テクノロジーとそれ以外の市場との間の乖離が浮き彫りとなった。
この節目は、AI関連投資が日本の企業階層を塗り替える中、日本の産業構造の変化を示している。ソフトバンクはフランスにAIデータセンターを建設するため、5年間で750億ユーロ(873億ドル)を投じることを約束しており、孫氏は同社を人工超知能の世界有数のプラットフォームにするという目標を掲げている。
ソフトバンク株の上昇は複数の要因によって促進されている。2025年度の純利益は5兆円と4倍以上に急増し、日本企業として過去最高を記録した。同社が約90%を保有する半導体設計会社アーム・ホールディングスの存在は変革的であり、アーム株は今年250%以上上昇。150億ドルの半導体販売目標を前倒しで達成する可能性があるとの見通しを示している。
ソフトバンクが300億ドル以上を投資したChatGPT開発元のオープンAIは、3月にアマゾンやエヌビディアを含む投資家から1220億ドルを調達し、8520億ドルと評価された。オープンAIが新規株式公開(IPO)を申請する準備を進めているとの報道が、さらにソフトバンク株を押し上げている。孫氏はCNBCに対し、AI革命は「ドットコムバブルの10倍、おそらく50倍の規模だ」と語った。
セクターローテーションが物語る構図
テクノロジーと伝統的産業の間の明暗は鮮明だった。東証のIT企業株は4.3%上昇する一方、自動車株は4.2%下落。電子部品メーカーの村田製作所は14.1%上昇し、日経平均の上昇率トップとなった。投資家がAI関連銘柄に資金をシフトさせているためだ。キオクシアホールディングスは最近の株価急騰を受け、時価総額で約39兆円と3位に浮上した。
値幅のデータは上昇の偏りを示している。日経平均の構成銘柄225銘柄のうち上昇したのは73銘柄のみで、下落は152銘柄だった。円は1ドル=159.47円で推移し、日本の輸出志向のテクノロジーセクターにとって追い風となった。
ドイツ銀行のアナリスト、ピーター・ミリケン氏は調査ノートで「完全に順風満帆というわけにはいかない」と警告。5月の資金調達ラウンドで9650億ドルの評価額に達したアンソロピックがオープンAIに競合している点を指摘した。また、低コストのオープンソースAIモデルが世界的に普及しており、オープンAIの売上成長に圧力をかける可能性があると述べた。
「アナリストや投資家は短期的な勢いに固執し、詳細な前提に基づく長期的な軌道を描くことにあまり関心がないか、あるいはそれができないように見える」とミリケン氏は記している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。