ソニーグループ株式会社(NYSE: SONY)は、音楽事業および画像センサー部門の好調な業績を背景に、2025年度の連結売上高と営業利益が過去最高を記録したことを発表しました。同時に、エンタテインメントと人工知能(AI)を中心としたグループ戦略を提示しました。
「現在の中期経営計画の最終年度を迎え、非常に優れた成果を収めた一年となりました」と、十時裕樹社長兼CEOは声明で述べています。十時氏は、テクノロジーを通じてクリエイターを支援することを目指す「クリエイティブ・エンタテインメント・ビジョン」を軸に、事業ポートフォリオを継続的に進化させていると語りました。
2026年3月期(2025年度)の継続事業からの売上高は、前年比4%増の12兆4800億円となりました。営業利益は前年比13%増の1兆4500億円と過去最高を記録しましたが、純利益は前年比3%減の1兆300億円となりました。2026年度については、売上高12兆3000億円、営業利益は10.5%増の1兆6000億円を見込んでいます。
今回の業績発表は、ソニーの株価が過去1年間で18.7%下落し、オーディオ・ビデオ制作業界の平均を下回る中で行われました。好調な営業実績と株主還元の強化は、同社の複合企業(コングロマリット)構造が過小評価されているという投資家の懸念を払拭する可能性があります。
セグメント別の業績
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)セグメントの2025年度売上高は、PlayStation 5のハードウェア販売減少をネットワークサービスの増収が補い、4兆6900億円と横ばいでした。それでもセグメント営業利益は12%増の4633億円と過去最高を記録し、3月時点のPlayStationプラットフォームの月間アクティブユーザー数は過去最高の1億2500万アカウントに達しました。決算説明会で十時裕樹CEOは、次世代機「PS6」の発売時期や価格については、メモリコンポーネントの高騰や「ビジネスモデルの変更を含む様々なシミュレーションを検討する必要がある」として、現時点では未定であると述べました。
音楽事業は目覚ましい成果を上げ、売上高は15%増の2兆1200億円、営業利益はストリーミング収入の増加や「ピーナッツ(Peanuts)」の知的財産に関連する買収の効果もあり、25%増の4470億円となりました。
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)事業は、モバイル向けセンサーの販売増により売上高が20%増の2兆1500億円、営業利益は37%増の3573億円と過去最高を記録しました。同社はまた、次世代センサーの生産においてTSMCと「ファブライト」戦略を追求する法的拘束力のない合意を発表しました。
映画(Pictures)事業は、売上高が1兆5000億円と横ばいでしたが、視覚効果事業のPixomondoにおける減損損失により、営業利益は11%減少しました。
株主還元
ソニーの取締役会は、2026年5月から2027年5月までの期間で、発行済株式の約2.3%にあたる最大5000億円の自己株式取得枠を設定することを承認しました。また、2026年度の年間配当予定を従来の25円から35円に引き上げました。
株主還元の強化は、次世代ゲームプラットフォームを巡る不透明感がある中でも、将来のキャッシュフローに対する経営陣の自信の表れといえます。投資家は、AI活用や長期的な成長計画の詳細が語られる5月23日の経営方針説明会に注目しています。
この記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。