主な要点:
- TORMは2026年のTCE収益予想を11.5億〜14.5億ドルに引き上げました。これは中間値で3億ドルの上方修正となります。
- 地政学的緊張による日次運賃の急騰を受け、第1四半期の純利益は前年同期比でほぼ倍増の1.22億ドルとなりました。
- 同社は1株当たり0.70ドルの配当を支払う予定であり、6隻の新規船舶購入により船団を拡大しています。
主な要点:

(P1) TORM Plc(NASDAQ: TRMD)は、4月にタンカー運賃が過去最高を記録し、第1四半期の純利益が前年同期比94%増となったことを受け、通期の利益予想を3億ドル引き上げました。
(P2) ヤコブ・メルガードCEOは声明で、「4月に運賃が記録的な水準に達したため、世界の情勢を注視しつつ、通期の業績予想を上方修正しました」と述べました。
(P3) デンマークの製品タンカー運航会社である同社は、第1四半期の定期傭船換算(TCE)収益が前年同期の2億1,400万ドルから2億8,600万ドルに増加したと報告しました。純利益は1億2,200万ドル(1株当たり1.21ドル)に達し、2025年第1四半期の6,300万ドルからほぼ倍増しました。同社は1株当たり0.70ドルの配当を宣言しました。
(P4) 今回の上方修正は、地政学的衝突によって貿易ルートが変更され、船舶の供給が逼迫したことで過熱したタンカー市場を反映しています。この動向はセクター全体に恩恵をもたらしており、Robin Energy(NASDAQ: RBNE)などの同業他社の株価も押し上げています。
TORMの業績を牽引したのは運賃の急激な上昇であり、同社はこれを世界の石油貿易を一変させた地政学的緊張の高まりに起因するものとしています。ホルムズ海峡の封鎖により、需要が米国産の代替原油へとシフトし、航行距離の延長とタンカー需要の増大を招きました。
同社の第1四半期における船団全体の平均TCE運賃は1日あたり34,937ドルに達し、2025年同期の26,807ドルから30%以上増加しました。大型のLR2型船が上昇を牽引し、1日あたり41,062ドルを稼ぎ出しました。
この勢いは第2四半期に入ってさらに加速しています。5月7日時点で、TORMはすでに第2四半期の稼働日の57%を1日平均71,494ドルで成約させており、これは第1四半期に達成した運賃の2倍以上に相当します。
好調な市場環境に基づき、TORMは2026年通期のTCE収益予想を、従来の8.5億〜12.5億ドルから11.5億〜14.5億ドルの範囲に引き上げました。EBITDA予想も8億〜11億ドルに上方修正されました。
強気な見通しを支えているのは、船団更新への投資です。四半期終了後、TORMはMR型の転売船6隻を購入しました。これにより、引き渡し後の総船団規模は103隻となります。この動きは、同社が「市場に対する長期的視点」と呼ぶ方針を反映しています。
今回の好業績は、紅海やその他の主要な難所での混乱により船舶の供給が制限されている海運業界全体のトレンドの一環です。世界の海運株を網羅するSonicShares Global Shipping ETF(NYSEARCA: BOAT)は、こうした良好な条件を背景に、年初来で34%上昇しています。
業績予想の引き上げは、市場の逼迫した状況と高水準の運賃が2026年を通じて持続するという経営陣の強い自信を示唆しています。投資家は、四半期初めに確保された記録的な高運賃が維持されるかどうかを確認するため、TORMの第2四半期決算に注目することになるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。