ダイアナ・シッピング(Diana Shipping Inc.、NYSE: DSX)は月曜日、ジェンコ・シッピング&トレーディング(Genco Shipping & Trading Limited、NYSE: GNK)の全発行済株式を1株あたり23.50ドルの全額現金で取得する敵対的公開買付けを開始しました。この動きにより、買収提案はジェンコの株主に直接提示されることになります。
ダイアナの最高経営責任者(CEO)であるセミラミス・パリュ氏は声明で、「当社は今、この提案が利益をもたらすよう設計された人々、すなわちジェンコの株主に対して直接オファーを行っています。このオファーは完全に資金手当てがなされており、実行リスクはなく、融資条件も付いていません」と述べました。
1株あたり23.50ドルの提示価格は、2025年11月21日のジェンコの基準終値に対して31%のプレミアムを上乗せしたものです。ダイアナは、これがジェンコの純資産価値(NAV)の約1.0倍に相当し、株価が2020年以来取引されていない水準であると指摘しました。公開買付けは、ニューヨーク時間の2026年6月2日午後5時に終了する予定です。
この直接的な働きかけは、ダイアナが「ジェンコ取締役会による5ヶ月間にわたる提案への交渉拒否」と表現する事態を受けたものです。ダイアナは2025年11月24日にまず1株20.60ドルの買収案を提出し、その後2026年3月6日に現在の23.50ドルに引き上げましたが、いずれも拒否されました。
取締役会の保身を主張
ダイアナは、ジェンコ取締役会が保身に走っていると非難し、交渉拒否は自分たちの役職と報酬を守るためのものだと主張しています。攻勢の一環として、ダイアナはジェンコの2026年年次株主総会での選挙に向けて6名の独立取締役候補を指名しており、取締役会の過半数の刷新を目指しています。
この公開買付けは、ジェンコの発行済株式の過半数の応募や、ジェンコの株主権利プラン(いわゆる「ポイズンピル」)の撤廃など、いくつかの条件が付されています。ダイアナは、DNB、ノルデア、BNPパリバを含む銀行コンソーシアムから14.33億ドルの完全なコミットメント・ファイナンスを確保したと発表しました。この資金調達を支援するため、ダイアナは買収完了時にジェンコの船舶16隻をスター・バルク・キャリアーズ(Star Bulk Carriers Corp.、Nasdaq: SBLK)に4億7,050万ドルで売却する確定契約も締結しています。
この動きにより、ジェンコの取締役会はダイアナと交渉するか、あるいは株主に対してより優れた代替案を提示するかの選択を迫られています。公開買付けの結果と今後の取締役選挙は、ドライバルク海運セクターの主要プレーヤーであるジェンコの将来を決定づける可能性が高く、業界内のさらなる再編を予感させるものとなるかもしれません。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。