イーサリアムのスポットETF承認は機関投資家の需要を喚起すると期待されていたが、むしろ構造的な逆風が上値を抑え、ビットコインとの格差は拡大している。
イーサリアムのスポットETF承認は機関投資家の需要を喚起すると期待されていたが、むしろ構造的な逆風が上値を抑え、ビットコインとの格差は拡大している。

イーサリアムのスポットETF承認は機関投資家の需要を喚起すると期待されていた——だが実際には、構造的な逆風が上値を抑え、ビットコインとの差は拡大する一方だ。
イーサリアムは日本時間14時(UTC 5:00)時点で2.3%下落し、1,993ドルとなった。米国でのスポット型イーサリアム上場投資信託(ETF)のローンチ後も続くアンダーパフォーマンスの長期化を反映している。SoSoValueのデータによると、スポット型イーサリアムファンドには週明け24日に3,870万ドルの純流入があったが、同じ日にビットコインETFに流入した4億5,820万ドルのごく一部にとどまった。
「ETFの流入と価格動向の乖離は、スポットETH承認に伴う『売り材料出尽くし』効果が想定よりはるかに長く続いていることを示唆している」とLVRGリサーチのディレクター、ニック・ラック氏は指摘する。「機関投資家は慎重姿勢を崩しておらず、資金はビットコインや代替レイヤー1へと向かっている」
イーサリアムのネットワークファンダメンタルズはトークンにとって逆風に転じている。レイヤー1の1日あたりトランザクション数は約160万件で推移しているが、ガス代が歴史的低水準にあるため、ETHのバーン量が発行量を下回り、ネットワークは純インフレ局面に逆戻りしている。2025年2月のブロックガスリミット引き上げは処理能力を拡大したものの、トランザクションあたりの手数料収入を圧縮し、焼却されるETHの量を減少させた。さらにステーキング利回りも低下し、保有者がトークンを売却せずにロックするインセンティブは薄れている。
アルトコインサイクルの動向を示す重要指標であるETH/BTCレシオは、8月に0.043超でピークを付けた後、4月の安値0.018から130%上昇していた。しかしその後は反落しており、アルトコイン相場の上昇局面は終焉を迎えた可能性がある。TradingViewのテクニカル分析によれば、現在価格は23.6%フィボナッチ水準で推移しており、下落が続けば次の節目である38.2%水準の3,600ドルを試す展開も想定される。
資金ローテーションと機関投資家の慎重姿勢
CMEイーサリアム先物は機関投資家のポジショニングを占う上で重要な指標となっている。CMEの建玉(OI)は6月の29億7,000万ドルから8月には79億4,000万ドルへ急増したが、アセットマネージャーはその後ネットロングポジションを削減し、ショートを増やしている——Coinglassのデータによれば、これは歴史的に価格下落のシグナルとみなされるパターンだ。固定満期のETH先物建玉の70%超がCMEに集中しており、機関投資家のフローが価格方向に過大な影響力を及ぼしている。
資金は競合レイヤー1にも回っている。ソラナとBNBチェーンは7月の1週間で3億4,200万件のトランザクションを処理し、ソラナ単独で2億件超を記録した。ソラナETFには週明け24日に1,740万ドルの純流入があり、XRPのETFにも約700万ドルが流入。機関投資家の関心がイーサリアム以外にも広がっていることを示唆している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。