アクソムセラピューティクス、損失拡大の中、第3四半期収益増加を報告
## 2025年第3四半期決算レビュー
**アクソムセラピューティクス(NASDAQ: AXSM)**は、2025年第3四半期の決算を発表しました。アナリストの予想を上回る純損失を計上しましたが、商業化された製品ポートフォリオに牽引された大幅な収益成長を示しました。同社は1株あたり**0.94ドル**の純損失を記録し、Zacksのコンセンサス予想である1株あたり**0.82ドル**の損失を上回りました。しかし、この数字は前年同期に報告された1株あたり**1.34ドル**の損失からは改善しています。
当四半期の総収益は前年同期比**63%**急増し、**1億7,100万ドル**に達し、Zacksのコンセンサス予想である**1億6,400万ドル**を楽に上回りました。この堅調なトップラインパフォーマンスは、主に大うつ病性障害治療薬である**オーベリティ**の強力な市場採用と販売動向に起因しています。
## 製品ポートフォリオが収益拡大を牽引
**オーベリティ**は引き続き**アクソム**の主要な収益源であり、2025年第3四半期の売上高は合計**1億3,610万ドル**となりました。これは前年同期比**69%**の大幅な増加であり、2025年第2四半期からは**14%**の連続的な増加を示しています。**オーベリティ**の処方箋数も大幅な伸びを示し、約**209,000**件の処方箋が記録され、前年同期比**46%**増、連続して**9%**増となりました。**オーベリティ**の支払者カバー範囲は現在、商業および政府チャネル全体でカバーされるすべての対象者の約**85%**に及んでいます。
同社の他の商業製品も全体の収益成長に貢献しました。**Sunosi**は**3,280万ドル**の純製品売上を報告し、前年比**35%**増となりました。米国の総処方箋数は前年比**12%**増の**53,000**件となりました。**Symbravo**は、市場投入後初の完全四半期で**210万ドル**の純売上を計上しました。
## 研究開発パイプラインの進展
**アクソム**は当四半期中に開発パイプラインを進展させ、将来の成長ドライバーとなる可能性を示唆しました。同社はアルツハイマー病における興奮の治療のための**AXS-05**の補足新薬申請(**sNDA**)をFDAに提出しました。この申請は以前の肯定的な規制当局との協議と一致しており、**AXS-05**の大幅な拡大機会となる可能性があります。
さらに、**アクソム**は2025年第4四半期に禁煙治療における**AXS-05**のピボタル第2/3相試験を開始する予定です。以前の研究では、**AXS-05**はブプロピオンと比較して日々の喫煙を**25%**以上減少させ、患者はブプロピオンの**6.79本**に対し**8.49本**の喫煙量減少を示し、呼気中一酸化炭素レベルも**50%**以上減少しました。
研究開発費用は、主に**Sunosi**の適応拡大試験の完了により、前年同期比**11.5%**減の**4,020万ドル**となりました。一方、販売費、一般管理費は、**オーベリティ**の商業活動の強化と**Symbravo**の発売努力を反映して、**57.1%**増の**1億5,020万ドル**となりました。
## 財務状況とアナリストの見通し
2025年9月30日現在、**アクソムセラピューティクス**は堅調な財務状況を維持しており、現金および現金同等物は合計**3億2,530万ドル**となりました。これは、2025年第2四半期末の**3億300万ドル**、2024年12月31日の**3億1,540万ドル**から増加しています。同社は、現在の手元資金が、キャッシュフロー黒字化までの予想される事業活動を賄うのに十分であると考えていると述べました。
レポート発表後もアナリストのセンチメントは概ねポジティブです。TD Cowenのアナリスト、ジョセフ・ソーム氏は、**AXSM**に対し「買い」の格付けを維持し、目標株価を**190.00ドル**としました。ニーダムもまた、「買い」の格付けを再表明し、目標株価を**154.00ドル**としました。アルツハイマー型認知症に伴う興奮に対する**オーベリティ**の**sNDA**提出は重要な成長機会と見なされており、アナリストは、申請が受理され、優先審査が付与されれば、株価が大幅に上昇する可能性があることを強調しています。企業内部者による買い付け活動も、同社株に対する内部のポジティブなセンチメントを示唆しています。
## 今後の見通し
投資家は、**アクソム**の商業的パフォーマンス、特に**オーベリティ**の成長軌道、および後期開発段階のパイプライン資産の進捗を引き続き監視するでしょう。短期的な主要な触媒には、アルツハイマー病の興奮に対する**AXS-05 sNDA**に関するFDAの潜在的な行動、および禁煙治療における**AXS-05**のピボタル第2/3相試験の開始が含まれます。同社が営業費用を管理しつつ収益成長を推進する能力は、キャッシュフロー黒字化という目標を達成し、持続的な株主価値創造のために極めて重要となるでしょう。