コアFFOが13%増加にもかかわらず、Digital Realty株は年間16%下落
## 市場パフォーマンス対事業の健全性
**Digital Realty Trust (DLR)** は、市場の感情と基本的なパフォーマンスとの間に大きな乖離が見られるケースを示しています。過去1年間で、同社の株価は15.8%下落し、年初来で17.1%下落しており、同じ期間に2.3%上昇した**不動産セレクト・セクターSPDRファンド (XLRE)** を下回っています。過去1ヶ月間だけでも、DLR株は12%近く下落しました。このネガティブな株価パフォーマンスは、同社の事業実績とは対照的です。第3四半期、Digital Realtyは、不動産投資信託 (REIT) の主要指標であるコアFFO(Funds From Operations)が前年比13%増加したと報告しました。この成長は、旺盛な市場需要に対応するため、51メガワット (MW) の新規データセンター容量の提供によって促進されました。
## 評価指標は不確実性を示す
Digital Realtyの評価に関する詳細な分析は、市場の不確実性の一因となる矛盾したデータを明らかにしています。一方では、複数の割引キャッシュフロー (DCF) 分析が、同社が大幅に過小評価されていることを一貫して示唆しています。いくつかの評価からの数値は、32.2%から33.1%の潜在的な過小評価を示しています。このモデルは将来のキャッシュフローを予測し、それらを割り引いて現在の価値を導き出し、長期的な潜在力を示唆しています。
他方では、株価収益率 (P/E) は逆の見方を示しています。39.7倍のP/E比率を持つ**Digital Realty**は、業界や競合他社と比較して割高に見えます。この伝統的な評価指標は、現在の株価が企業の収益に対して高いことを示唆しており、バリュー志向の投資家を遠ざける可能性があります。
## 広範な業界背景
**Digital Realty**の事業成長を牽引する堅調な需要は、より大きな世俗的トレンドの一部です。**マッキンゼー・アンド・カンパニー (McKinsey & Company)** の予測によると、クラウドコンピューティングや企業デジタル変革など、非AIワークロードに必要なグローバルなデータセンター容量は、現在の38ギガワット (GW) から2030年までに64ギガワット (GW) に拡大すると予測されています。この長期的な需要予測は、データセンター業界全体にとって強気な背景を提供します。世界最大のデータセンターREITの1つとして、**Digital Realty**は、現在の株価評価が投資家の間で議論の対象となっているにもかかわらず、この持続的な成長を活用できる構造的に有利な立場にあります。