ドルは3週間ぶりに週間上昇を記録。世界株におけるテクノロジー主導の売りが逃避資産への需要を押し上げた。
ドルは3週間ぶりに週間上昇を記録。世界株におけるテクノロジー主導の売りが逃避資産への需要を押し上げた。

WSJドル指数は金曜日に2営業日連続で小幅下落したものの、週終値は97.60となり、前週金曜日比で0.56%上昇した。ハイテク株からの資金流出がドル需要を押し上げた。
「ナスダックが数月来で最大の週間下落を記録し、投資家がディフェンシブ銘柄にシフトする中、ドルは逃避先としての需要を集めている」とベアードの投資ストラテジスト、ロス・メイフィールド氏は指摘する。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は週間で4.6%下落し、5営業日連続で値を下げた。一方、S&P500種指数は約2%下落した。ダウ工業株30種平均は同期間に0.6%上昇とアウトパフォームした。半導体銘柄——マイクロン・テクノロジーが6%超下落、インテルが3%超下落——からヘルスケア、生活必需品、公益事業へと資金がシフトした。イーライリリーの株価は週間で7%上昇、ジョンソン・エンド・ジョンソンは約4%上昇した。
ドルの小幅な上昇は、市場がAI関連トレードの持続性を再評価する中で起きた。オープンAIが新規株式公開(IPO)の延期を検討しているとの報道を受け、インフラ支出の持続可能性に疑問が生じている。ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ総裁は金曜日、中東紛争に伴うインフレ上昇を理由に、年内に利上げを1回見込むと述べた。この見解が現実化すれば、ドルをさらに押し上げる要因となる。
WSJドル指数は、主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を測定する。週間0.56%の上昇で2週間続いた下落基調に歯止めがかかったが、6月初旬に付けた98の水準を依然として下回っている。
ドルの強さはアジア通貨に対して最も顕著で、日本の円や韓国ウォンは、テクノロジー株の売りがアジア全域に波及する中で下落した。オープンAIの主要出資者であるソフトバンクグループは、金曜日の東京市場で12%超急落。韓国のKOSPIは5.81%下落した。
消費者信頼感とインフレ見通しの改善を示す米経済指標が予想を上回ったことは、金曜日にリスク資産をいくらか下支えし、一時的にドルの上昇を抑制した。しかし、週間のトレンドは、市場が成長と金融政策の両方に対する期待を再調整していることを反映している。
ナスダックが今回と同程度の週間下落(4.6%安)を記録したのは直近では4月下旬で、その際S&P500は同期間に1.8%下落し、WSJドル指数は0.4%上昇した。ベアードのメイフィールド氏によれば、テクノロジー株主導の売りとドル買いというパターンは、歴史的に2〜3週間持続した後に安定する傾向がある。
為替市場にとっての最大の関心事は、ドルの強さが一時的な逃避需要によるものなのか、それともより持続的な上昇局面の始まりなのかという点だ。市場は現在、FRBが7月会合で金利を据え置く確率を62%と織り込んでおり、カシュカリ氏のタカ派的な発言が短期的なドル高シナリオを後押ししている。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。