主なポイント:
- SECの強制調査が相次ぐ中、保険会社はプライベートクレジット企業向けのD&O保険料を引き上げ
- Marsh社、第1四半期のプライベートクレジットおよびプライベートエクイティ向け保険料が3%上昇と報告
- 連邦検察がブラックロックのファンド評価慣行を調査、規制当局の監視が強化
主なポイント:

保険会社は、SECの強制調査やファンド評価をめぐる連邦捜査が法的嵐の接近を示す中、プライベートクレジット企業向けの保険料を引き上げ、引受条件を厳格化している。
SECの強制調査やブラックロックのファンド評価をめぐる連邦捜査が、1.7兆ドル規模の業界全体に法的リスクの高まりを示す中、保険会社はプライベートクレジット企業向けの役員賠償責任(D&O)保険料を引き上げている。
「現時点ではより深刻なリスクが存在しており、それがどのように波及するかは分からない」と、保険会社MSIG USAの金融ライン部門責任者デビッド・ギルド氏は述べた。
保険ブローカーのMarsh社では、プライベートクレジットおよびプライベートエクイティを対象とするD&O保険の更新保険料が第1四半期に前年同期比で3%上昇したと、同社のマネージング・ディレクターであるウィリアム・フェイヒー氏は述べた。上場企業全体では保険料はほぼ横ばいだった。複数の保険会社幹部は、保険の更新時期を迎えるにつれ、前年比で二桁の上昇が見込まれると述べている。
こうした規制強化は、融資ポートフォリオの評価を懸念する投資家からの償還請求の急増にすでに直面しているプライベートクレジット運用会社の運営コストを押し上げる恐れがある。アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワンCEOは先月、より一層の透明性の必要性を認め、同社は9月末までにプライベートクレジットファンドの日次価格設定を提供する計画だと述べた。
SECおよび司法省の調査
関係筋によると、連邦検察はブラックロックのプライベートクレジットファンドにおける評価慣行を調査している。このファンドは融資ポートフォリオの大幅な評価減で投資家を驚かせた。SECは複数の大手プライベートクレジット運用会社に対して強制調査を開始しており、規制当局は銀行の業界に対するエクスポージャーも調査している。
不正が疑われる企業の破綻に伴い、プライベートクレジットに関連する訴訟が相次いでいる。法律事務所Pallas Partnersのパートナーで、元マンハッタン連邦検事のジョシュ・ナフタリス氏は、業界はさらに多くの訴訟や規制当局の監視に直面すると予想されると述べた。「プライベートクレジットのストーリーは続いていく」とナフタリス氏は語った。
保険会社が引受条件を厳格化
保険会社はまた、保険の更新や新規契約の引受条件を厳格化していると、幹部らは述べた。評価や情報開示に関する懸念は、一部の関係者が人工知能(AI)によって時代遅れになる可能性を懸念するソフトウェア企業へのファンドのエクスポージャーによって煽られている。
「我々は常に完全に警戒し、慎重かつ勤勉である必要がある」と、CNA保険の金融ライン共同責任者メイシー・スティアーズ氏は述べた。
訴訟の懸念をさらに高めているのが、トランプ政権による401(k)や同様の退職金制度をプライベートクレジット、プライベートエクイティ、その他のオルタナティブ投資に開放することを目的とした提案である。労働省は今年初め、所定のプロセスに従った制度スポンサーは訴訟から保護することを目的とした「セーフハーバー」を享受できると述べた。
プライベートクレジットの経営陣は、こうした懸念は誇張されていると述べている。しかし、保険市場の反応は、業界が法的・規制上のエクスポージャーが高まる時期に直面しており、それがこれらのファンドの運営方法やパフォーマンスの開示方法を変革させる可能性があることを示唆している。金融セクターでD&O保険料がこのペースで上昇したのは、2023年の地域銀行危機以来のことである。その際には、シリコンバレー銀行の破綻を受けて訴訟や規制調査が相次ぎ、中堅銀行の保険料率は2四半期以内に20%以上急騰した。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。